古代ギリシアの哲学者ヘラクレイトスは「万物は流転する」と述べた。この言葉は、人生における多くの要素、特に仕事を見事に言い表したものだ。仕事と労働における歴史的な進歩は、それが起きた瞬間には革命的で不安定とさえ感じられたが、変化を受け入れ、それに対応し、そこから成長することが多くの企業のサクセスストーリーとなってきた。世界の超有名ブランドのいくつかは、組立ラインとパーソナルコンピューターの導入を乗り越えてきた。そして現在は、AIとXRに直面している。
古代ギリシアの哲学者ヘラクレイトスは「万物は流転する」と述べた。この言葉は、人生における多くの要素、特に仕事を見事に言い表したものだ。仕事と労働における歴史的な進歩は、それが起きた瞬間には革命的で不安定とさえ感じられたが、変化を受け入れ、それに対応し、そこから成長することが多くの企業のサクセスストーリーとなってきた。世界の超有名ブランドのいくつかは、組立ラインとパーソナルコンピューターの導入を乗り越えてきた。そして現在は、AIとXRに直面している。
建設技術の未来におけるAI活用に関する議論は、AI搭載ロボットが人間の能力を追い越す可能性の懸念を引き起こし、波紋を呼ぶことがある。既にAIは建設業界にも存在しており、それは世界的なインフラ需要の高まりに対応するためにも必要だ。AIは、人間の仕事をより効率的かつ安全で、クリエイティブにするのに適している。
AIは、データ分析やリスク分析、複雑なスケジューリングなど人間も行う数々の仕事を、より効率的に行う。例えばプロジェクトのプレコンストラクション段階においては、多くの重要なタスクを次々と完了させる必要があり、そうした作業には用地分析や設計選定、実現可能性調査、資源配分計画などが含まれている。こうした作業は人間が行えるが、AIはそれをより迅速かつ予算内でこなせることも多いため、プロジェクトの納期と予算が守られる可能性が高まる。潜在的なコストやスケジュールの課題を予測するため、一部の建設会社はAIの一分野である人工ニューラルネットワーク (ANN) を使い始めた。ANNは組織の過去のデータを活用し今後のプロジェクトの現実的なタイムラインと予算を生成する。
こうしたデータ量の多い作業にAIを使用することで、人間はAIでは実行不可能な建設分野に集中し、そこで実力を発揮できる。情報に基づいた意思決定、コラボレーション、個人的なつながりなど、人がプロジェクトにもたらす集合的な組織の知識の部分は、AIが代替することはできない。アルゴリズムや大量のデータから学習できても、顧客への感情移入や人間の創意工夫の再現、入札を成功させることなどはできない。
Families and Workers Fundのエグゼクティブ・ディレクター兼共同設立者であるレイチェル・コルバーグ氏は「テクノロジーを支えているのは人間であり、AIが労働力に与える影響は私たちにしか定義できません」と話す。「ビジネスリーダーがAIを適切な方法で活用すれば、AIはキャリアを変革し、これまで以上に大きな機会と安全を何百万人もの人々にもたらすことができます。それは既に一部のケースで実現しています。例えば生成AIは仕事中のケガや事故がいつどのように発生するかのパターンを特定し、その予防に役立っています」。
コルバーグ氏は、AIは雇用にも変革をもたらすと付け加える。「米国では成人の2/3が大卒資格を有さないものの、見過ごされがちな素晴らしい才能を持っています。AI採用ツールは、企業が求職者の潜在能力と学位とを比較評価するのに役立ち、人種や性別、その他の偏見を排除するのに利用できます。それは裏を返せば、同様のツールが偏見を定着させてしまい、歴史的に女性や有色人種が少ない建設などの業界での雇用をさらに難しくしている可能性もあるのです」。
「AIは、最終的には、見過ごされてきた才能を認識し、それに報い、職場を強化し、歴史的な過ちを正すのに役立つ大きな可能性を秘めています」とコルバーグ氏は結ぶ。「しかし、そうした目的に使用されるかどうかはビジネスリーダー次第なのです」。
急成長するテクノロジーとどう付き合うか学ぶのは、今に始まったことではない。パーソナルコンピューター、ロボット工学、クラウドコンピューティングは、どれもがデザインと創造の業界に革命をもたらした。未来のテクノロジーは全く新しい仕事の分野を創造しており、現在は存在しない仕事が、将来は不可欠な役割を果たすようになる。労働者と雇用主は今こそ未来の働き方を再構築し、雇用機会とそれを担う人材との格差が拡大し続けるのを防ぐべく、スキルアップに集中すべきだ。
一例を挙げると、デロイトはデジタルツインエンジニアの仕事に注目している。現在、企業はインターネットに接続された機器で大量のデータを収集している。そのデータの一部は、機器自体の性能を向上させるために集められる。デジタルツイン エンジニアの仕事は、接続された機器が互いにどう関わり合い、連携できるかを発展的に考えることだ。これらのデバイスは仮想表現、つまりデジタルツインを構築し、実験を行い、データを収集して、より良い技術や製品、サービスのための知見を生成できる。
この種の仕事は顧客に、より良質かつスマートで、洗練された製品という価値をもたらす。それは企業、とりわけエンジニアの仕事を、より有意義で生産的なものにもするのだ。
未来の職業訓練は、AIの活用や従業員主導の研修に留まらない可能性がある。XR機器の普及も受け、没入感もさらに高まるだろう。
XR (AR、MR、VRの総称) のテクノロジーは、単に目立つヘッドセットの域を超えるものだ。VRゴーグルは、従業員が実験やテストの「一部」となり、実践を通じて学習する拡張トレーニング計画を提供することが可能だ。これには、質問スペース、即時の再教育、さらにエラー発生時の学習機会も含まれる。このテクノロジーは、潜在的な従業員にとって公平な機会を増やすこともでき、トレーニングにおける柔軟性が必要な人や、従来の学習手法に困難を感じている人の障壁を取り除くことができる。
XRトレーニングは、リスキリングやスキルアップを目指す人々に、対面式職業訓練の制約を受けずに、より現実的な経験を提供することもできる。VR手術シミュレーションは、実地訓練が必要だが放射線への曝露を制限しなければならない外科医や研修医が、既に10年前から使用している。現在の徒弟制度的プログラムの多くでは、トレーニングやテストのために、特定の物理的な場所にいることが必要だ。XRテクノロジーを使用すれば、都市部や従来の教育拠点などの外にいる人々も同じ機会が得られる。
メディア&エンターテインメント業界は、まだXR技術による変貌を遂げていない。だがMeta QuestやApple Vision ProなどのXRハードウェアの普及率が高まることで、VR/MRヘッドセット向けの没入型や対話型のコンテンツやゲーム、教材の供給が急務となる可能性がある。利益を得ようとするスタジオはXRに特化したコンテンツの制作に精通していなければならないし、この分野で活躍しようとする労働者や学生にはXR制作のスキルが必要となるだろう。
前述のデジタルツイン エンジニアのように高度なスキルを要する未来の仕事と、その仕事を担う人材との間のギャップは大きく、さらに拡大している。ビジネスや技術職に必要なスキルを持つ人材は現時点で十分ではなく、このギャップはさらに広がっていくだろう。オートデスクの2024年度版『デザインと創造の業界動向調査』では、調査対象となったエキスパートの半数近くが、熟練人材の不足をトップラインとボトムラインの両方の成長に対する大きな障壁と考えている。その一方で、多くの企業で従業員を訓練するためのリソースが不足している。回答者の77%がスキルアップとトレーニングが重要だと答えているが、従業員に職業内訓練を提供するためのリソースを持つ企業は38%に過ぎない。
この問題をさらに深刻にしているのが、業界の専門家が「シルバー津波 (silver tsunami)」と呼ぶ、高齢者人口の大量退職に伴う労働業界の人口流出である。米国労働統計局の予測では、2022年から2032年までの期間に、労働力増加の57%を「高齢者」 (65歳以上) が占める。
このシルバー津波に対抗するには、熟練を要する訓練プログラムが技術革新に追いつく必要があるが、非営利のプロジェクト型学習組織Stacks+Joulesは、それはまだ実現していないと述べる。Stacks+Joulesは、コンピュータープログラミングやワイヤレスネットワーク管理、ビルディングオートメーション/エネルギー管理システムの中等教育後訓練プログラムを提供している。製造やスマートビル運用などの分野でインダストリアルIoTなどの技術が不可欠になり、プログラミングやオートメーション制御、エネルギー管理など、Stacks+Joulesが教えるスキルの需要は高まる一方だ。
グリーン雇用の津波は、これからやって来るのでなく、既に到達している。業界やリーダー、労働者は持続可能な技術を理解し、活用する必要がある。LinkedInのレポートによると、グリーンスキルや肩書きを持つ労働者の雇用率は、労働者全体よりも54.6%高い。また「グリーン人材」の需要は2023年から2024年にかけ、労働者の供給の2倍の速さで増加した。
「私たちは今、クリーンなエネルギーと気候変動へのレジリエンスという、100年に一度のエキサイティングな転換期を迎えています」と、コルバーグ氏。「成長が見込まれる職種には、EVの充電インフラの設置やメンテナンスを行う作業員など、新たなものも含まれます。また、従来からある多くの職種についても、新しい方法で対応する必要があるものや、何百万人もの労働者を新たに必要とするものもあります。それには、例えばソーラー、風力、送電網の近代化、建物の改修工事に従事するエンジニアや電気技師などが挙げられます」。だが、グリーンテクノロジーや持続可能な慣行を取り入れることは、一過性の取り組みではない。将来的には、労働者は生産ライフサイクルの最初から最後まで、持続可能性に関するあらゆる問題を把握しなければならなくなるだろう。
LinkedIn公共政策/経済グラフ担当シニアリードマネージャー、エフレム・バイサー氏は「気候リテラシーと、より持続可能な方法で仕事をする方法の理解を深めることは業界を問わず、労働者にますます重要になるでしょう」と話す。「地球上のすべての労働者が、より持続可能な経済への移行に役割を果たす必要が出てきます」。
バイサー氏は、さらに続ける。「世界中で政府や企業がネットゼロに投資しています。その結果、こうした新しい気候政策や公約は、『グリーン』雇用、つまり持続可能性を中核とし、グリーンスキルに関する広範な知識がなければ遂行できない仕事への需要を促進しています」。
しかしビジネスと同様、世界の労働力は、ほとんどの企業や国の野心的な目標を達成する軌道には乗っていないとバイサー氏は話す。「現在のトレンドが続くとすれば、グリーンスキルを必要とする仕事の数は、2050年までに有資格者数の2倍になります。しかもグリーン人材に対する世界的な需要は供給を上回り続けており、2023年から2024年にかけて需要は11.6%増加し、供給は5.6%増加しました」。
バイサー氏にとって、この需要と供給のギャップは、機会を指し示すものだ。従来「グリーン」な仕事だと考えられていなかった多くの仕事が今後進化し、持続可能性を重視した仕事に対応できるよう適切なリスキリングが必要になるだろうと、バイサー氏。
「ソフトウェア エンジニアから製品デザイナー、料理長に至るまで、あらゆる仕事をより持続可能な方法で行えると考えています」と、バイサー氏。「現在の気候変動に関する課題を語り、自分のスキルがより大きな組織の持続可能性への取り組みにどう適用できるのかを伝えられる従業員は、その競争力がさらに高まるでしょう」。
高度なスキルを持った従業員への新たな需要は、労働者自身にどのような意味を持つのだろうか。それは、かなり大きな意味を持っており、労働者に単なる「仕事」以上の役割を求める力をもたらす。
「今日の人々にとって、仕事であれば何でもいいというわけではありません。求めているのは、生活ができ、キャリアを築き、職場で主体性や帰属意識を感じられるような仕事です」と、コルバーグ氏。「人材に対する需要は大きく、その傾向は特に建設とインフラで高くなっています。調査によると、労働者は自分と家族を経済的に支えられ、キャリアアップのチャンスがある仕事を提供する企業に職を求め、そこに留まる傾向が強いのです」。
この新しい状況で競争力を維持したいと考える企業は、未来の従業員のニーズに合致するような選択肢を検討することで、採用する可能性の高い候補者にとっての競争力を高めることができる。仕事に関する変革を推進する非営利団体Jobs for the Future (JFF) によると、そうしたカテゴリーに含まれるのは報酬、昇進、主体性、体制などだということだ。
「労働者が優先的に企業へ求める重要な福利厚生や仕事の特徴には、生活賃金の支払い、良心的な金額での健康保険の提供、有給休暇の提供、労働者が生活設計を立てられる十分な余裕と従業員の意見を取り入れたスケジュール設定などが挙げられます」と、コルバーグ氏。「競争力を高めたい企業は、保育や交通、メンタルヘルスといった福利厚生も考慮すべきです。こうした分野での福利厚生の提供は、従業員の経済状態を向上させ、企業に対する忠誠心を高めるだけでなく、遅刻や予定外の欠勤が減ることで生産性が向上して、雇用主にも利益をもたらします」。
職業訓練は、従来はその多くがトップダウンで行われてきた。型にはまったコースでは、職務の基本的な理解はできるが、具体的な内容に踏み込むことはほとんどなく、その職務を遂行している人々によって組織に蓄積された知識に踏み込むこともなかった。従業員が変化を求め、新入社員との知識の共有、転職時のトレーニング、社の部署やグループ内でのコミュニケーションなど創造的なアプローチを採ることで、今後のトレーニングは大きく変わっていくだろう。
例えば典型的なビデオトレーニングは画一的であり、更新に費用がかかり、より高度で繊細な情報を教えるには効果的でないことが多い。AIを活用した、より新しいトレーニングであれば、適応性が高く、特定の仕事やタスクに合わせたトレーニングが可能となる。また、従業員が興味のある研修や仕事の可変性に合った研修を選択でき、特に業界で重要な新しいソフトウェアやテクノロジーを学び続けることができる。
雇用主は、こうした変化をポジティブに捉えるべきだ。事実、『The Manufacturer』誌の2022年の調査では、製造業の従業員の80%がスキルアップに関心を持っていた。学びに熱心な従業員は、自分のキャリアをさらに追求したいと考え、仕事への満足感も高いはずだ。従業員とそのスキルに投資する意欲のある企業は、競争が激しくなる今後の雇用市場で、競争優位に立つことができるだろう。
今後、キャリアへの道筋は全く異なるものになるだろう。既に教育の重点が伝統的な4年制大学の学位から離れて久しいが、この転換は今後もさらに加速する。より重要なのは、この教育革命により、リスキリングやキャリアチェンジのため、労働力から取り残されていた可能性のある潜在的な人材が訓練プログラムに戻ってくることだ。
この面では、さまざまな組織が新たな展開を見せている。例えば北米建設労働組合 (NABTU) は、技術主導の環境で高度な技術を要する仕事に従事する労働者の養成に向けた実習プログラムを再導入した。このプログラムでは給与が支払われ、実習中には数々の手当も支給される。これはあらゆる年齢層やキャリア段階の人々に必要なことだが、特に方向転換を図っているが底辺からスタートする経済的余裕のない人々にとっては重要だ。シカゴのRevolution Workshop、ロードアイランド州のJane Addams Resource Corporation (JARC) といった組織は、女性や有色人種を含む、十分なサービスを受けられていないコミュニティに向けて訓練や実習プログラムを提供している。
こうした変化の風に、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校 (CSUN) などの伝統的な教育機関も帆を合わせている。工学/コンピューターサイエンス学部長のフッサン・トゥタンジ氏 (PhD、PE、FASCE) は「新しいAutodesk Technology Engagement Centerでは、学生やコミュニティに変革をもたらす新しいラボやスペースが提供されます」と話している。「構造実験を行うHigh Bay Structural Testing Lab、機械実験を行うMachine Testing Lab、製造向けFabrication Lab、新興の先端材料を研究するEmerging Advanced Materials Lab、デザインデジタルキャプチャのDesign Digital Capture Lab、メイカーズスペースを提供するMakerspace and Discovery Lab、インキュベータープロジェクト向け研究施設Incubator Project Research Labなど、最先端の施設です。こうした場所で、常にトップを走り続けるために必要なツールやトレーニングを実際に体験できます」。
トゥタンジ氏は「私たちの最終的な目標は、学生や卒業生、地域社会の人々が進歩の最前線に立つためのリソースと知識を提供することです」と続ける。「継続的に学び成長する文化を育むことで、将来どのような困難が待ち受けていようとも、それに立ち向かう準備が十分に整ったコミュニティを築くことができるのです」。
技術職は女性や有色人種により多様性を高めることにほぼ成功しておらず、結果的に企業は苦境に立たされている。
「エンジニアや建設労働者は、全米で最も多様性が低い部類に入ります。業種や職種にもよりますが、女性や有色人種が占める割合は10~20%未満であることが多いのです」と、コルバーグ氏は話す。米国商務省によると、建設業に従事する女性は2022年10月時点で100万人と、業界の労働者の11%にも満たない。また、技術職に占める女性の割合は5%未満だ。
だが、こうした層が業界の一部になることを阻む障害は解決可能だと、コルバーグ氏らは考えている。それには、雇用主が職場の構造や社を定義する慣行を再考する取り組みと柔軟性が必要だ。
コルバーグ氏はこの変化を先導する職場慣行をいくつか指摘する。
福利厚生:企業は「職場慣行や福利厚生について、従業員の意見を収集し、必要に応じて調整する (例:有給休暇、有給育児休暇) 」べきだと、コルバーグ氏は述べる。「労働組合結成の試みであれ何であれ、労働者たちの声やニーズを収集し、経営者と共有する労働者の取り組みを認め、協力することです」。
スケジューリング:予測不可能なスケジュールは、労働者の安定かつ安全な育児の妨げとなり、また心身の健康を育むための、バランスの取れた生活を営む能力を妨げる可能性がある。同様に、高齢の家族の介護をしている人も多い。スケジュールの柔軟性は、こうした義務を働く時間と収入を失うという新たなストレスを抱えることなく果たすことに役立つ。
表象:女性や有色人種を代表的な役職に就けることは、企業が新入社員や潜在的な従業員とより良い関わりを持つために重要だ。
対価:仕事に必要な勤務時間が従来の育児スケジュール外になる場合、企業は従業員が仕事を維持しつう育児を確保できるよう、保育費の手当を提供するという方法がある。グローバル家具メーカーのSteelcaseは多様性の高いチームを構築し、公平なアクセスと機会を確保するための実践策を導入している。インド・プネーの「ウーマン・オブ・スティール (鉄の女)」プログラムの例では、製造部門における女性のリーダーシップの機会を提供し、女性が労働力に参入しやすくなるよう福利厚生や収容施設を提供している。
キャリアのスタートは、人材の仕事や業界への参加を成功させるための重要な時期だ。だがそれは良質の教育と、それを支える学位プログラムの存在から始まる。
「AIは、建設や工学だけでなく、想像しうるあらゆる分野に変革をもたらしつつあります」と、トゥタンジ氏。「当校では、このような世界の変化を認識し、学生がこの技術革命の最前線に立てるようにすることを使命としています」。
CSUNのような総合大学や単科大学は、常に先手を打ち、未来の仕事のための技術訓練を取り入れる必要がある。学生は、最新のソフトウェアを使いこなし、最新のロボット工学に取り組み、最先端のコンピューティング技術を使用して研究を進める方法を習得して卒業すべきだ。「機械工学部の学生たちは、Autodesk Fusionなどの先進的なソフトウェアを使用しています。こういったソフトウェアでは、デザインの最適化などにAIが使用されています」と、トゥタンジ氏。「この種のツールは、効率性を高め、より費用対効果の高い設計と構造的完全性の向上を促進でき、それらは今日のエンジニアリング業界で貴重なスキルです」。
デザインと創造の業界の未来を支援する取り組みの一環として、オートデスクは学生や教育関係者へ、自社の全ソフトウェア ポートフォリオへの無償アクセスを提供している。教室でAIを搭載したオートデスクのソフトウェアを使うことで、学生はスキルを学んで実地経験を積むことができ、社会に出てからの現実世界の課題に取り組む準備を整えることができる。
テクノロジーの活用は、指導者の教え方にも影響を与える。「私たちはAIを活用して指導法を向上させています」と、トウタンジ氏。「その最たる例が当校のプログラムで、Matador Summer Transition to Engineering and Computer Science ProgramではAIを活用した数学教育プラットフォームALEKSを活用しています。このインテリジェントなシステムは、各学生の学習スタイルやペースに適応し、工学やコンピューターサイエンスでの成功に不可欠な数学の強固な基礎を確実に築くことができます」。
業界と大学のパートナーシップは、未来の仕事に備える学生と雇用者の双方に利益をもたらす。Appleは先日、ハワード大学の電気工学/コンピューターサイエンス学部に130万ドルのイノベーション助成金を提供した。この助成金により歴史的黒人大学 (HBCU) は、シリコンとハードウェア工学を学ぶ学生に向けた最新鋭の訓練施設を開設した。この実践的な学習ラボは、学生に未来のテクノロジーを実際に体験させ、企業が直面するスキルギャップを埋めるのに役立つだろう。
未来の働き方とは、テクノロジーと変化の絶え間ない圧力を受け入れることであり、世界の複雑な課題に対して、より大きく、より良い解決策を模索する。企業はこの進化に萎縮することなく、それを従業員や顧客とともに積極的に受け入れるべきだ。事実、彼らにはより良い、より創造的な解決策を求める、世界のリーダーとイノベーターとなる可能性があるのだ。
キンバリー・ホランドはアラバマ州バーミングハム在住の、ライフスタイル系記事のライター、編集者。所有する書籍を色分けしていないときは、キッチン向けの新しいガジェットを使った料理の実験を友人たちへ披露することを楽しんでいます。
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[提供: Steelcase]