AECO業界のダイバーシティ構築は世界中の多様な人材を惹きつけ、定着させることから始まる

AECO業界のダイバーシティを高めるには、世界の至るところから最高の人材を採用することが重要です。そのプロセスにインクルーシブな視点を確実に取り入れるための方法をご紹介します。


• 最高の人材を採用するということは、世界中から優秀な人材を採用し、その人材を組織に迎え入れることを意味する。

国際色豊かなメンバーが会議テーブルを囲む様子

Shawn Radcliffe

2026年7月24日

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  • 最高の人材を採用するということは、世界中から優秀な人材を採用し、その人材を組織に迎え入れることを意味する。

  • 技術的なスキルも重要だが、グローバル人材は、効果的なコミュニケーションや人脈作りといった他のスキルも身につける必要がある。

  • 企業は、支援する企業文化を構築し、ビザ取得手続きを円滑に進めるためのリソースを提供し、メンタリングやネットワーキングの機会を設けることでグローバル人材を支援できる。

New American Economyの全米コミュニティ調査 (American Community Survey) データ分析によると、建築家、エンジニア、および関連職従事者の約7人に1人が米国への移民だ。建設業界ではその割合はさらに高く、労働力のほぼ4分の1を移民が占めている。

建築、エンジニアリング、建設、運用 (AECO) 分野における外国人労働者の需要は、今後数年間も引き続き高い水準で推移する見込みだ。米国労働統計局の予測によると、2022年から2032年にかけて、建築/エンジニアリング関連職種の総雇用数は全職種の平均を上回るペースで増加し、求人数は毎年約18万8,000件となる。

移民がAECO業界において不可欠な役割を果たしていることは明らかだが、海外からの採用は単に空いているポストを埋めることにとどまらない。出身地を問わず優秀な人材を誘致することは、より多様で包摂的な労働力の形成につながり、企業が将来のニーズに対応する助けとなる。事実、採用活動を世界中の人材へと拡大することで、適任者を見つけられる可能性は高まる。

しかし、企業にとって重要なのは、移民が直面する課題を理解し、すべての従業員の知識やスキルを尊重し活用する職場文化を築くことが不可欠だ。

ダイバーシティを構築

アフリカ系の男性が、多様なメンバーによるビジネスミーティングを進行する様子
ネットワーキングの機会は新採用の外国人労働者の活躍に役立つ

急速に変化する業界で成功を収めるには、すべての企業がダイバーシティを受け入れる必要がある。その一環として、移民の採用も行うべきだ。彼らは優れた技術力と独自のバックグラウンドを有しており、企業が最良の結果を達成するのに役立つ。

これを実現するためにも、企業は単に「ダイバーシティ」項目にチェックを入れるだけという段階を乗り越えなければならない。「多様な人材プールから実力に基づいて採用を行う企業は、より良い成果を収めています。単に採用枠を埋めることだけを目的とする企業とは大きな違いがあります」Symetri戦略実施マネージャー兼プロダクトスペシャリストのプラティーク・チトニス氏はこう話す。

チトニス氏はインド・ムンバイ大学で機械工学の工学士号を取得したのち、フロリダ大学で修士号を取得した。現職では、製品開発チームと協力し、製品のベータテストや研修を実施している。チトニス氏は先日、Autodesk University 2023で開催されたイベント「BIMigration: Transforming AECO Through Immigration, Diversity, and Technology」で講演した。このイベントでは、さまざまな国や背景を持つAECO分野の専門家が集まり、それぞれの経験談を共有するとともに、企業がどのようにダイバーシティを受け入れ、移民を支援できるかについて議論を交わした。チトニス氏に加え、パネルディスカッションには、テスラ・コリアー氏、ニマ・アザド氏、シャー・ルスティチ氏、イヴ・リン氏が登壇した。

討論の中で、パネリストたちは、企業が世界の他の地域から積極的に人材を採用することで得られるメリットについて、いくつかの点を挙げている。たとえば、AHA Consulting EngineersでBIM/VDCディレクターを務めるアザド氏は「多様性の高いチームは幅広いアイデアや視点をもたらします」と述べる。「結局のところ、これが問題解決につながるのです」。

移民は適応力に優れている

建設現場で2人の男性が建築図面を確認する様子
ダイバーシティを育むべく、AECO企業は全従業員のスキルや観点を尊重する職場文化を構築する必要がある

移民はまた、しばしば驚くべき適応力と回復力を示すが、これらは移住の全過程を通じて必要とされる資質だ。「新しい国でゼロからやり直すのは簡単ではありません」と、アザド氏。「柔軟性を持ち、新しい環境に自分自身を適応させる必要があります」。

これには、複雑な米国の移民制度を乗り越えることも含まれる。「技術的なスキルやコミュニケーション能力は備わっていても、別のハードルが立ちはだかります––ビザです」チトニス氏はこう話す。このプロセスを乗り切れれば、他国から来る労働者たちは移民問題の専門家になれると、冗談めかしてチトニス氏は言う。しかしそれは同時に、彼らの適応力の証でもある。

米国でキャリアをスタートさせるのも、またひと苦労だ。HNTBの設計技術マネージャーであるコリアー氏は、米国で最初の仕事を見つけるまでに約1年かかったと語る。コリアー氏はホンジュラス大学で建築学の学士号を取得し、25年以上にわたりAECO業界に従事してきた。彼女は現在、その職務を通じて、建築家やデザイナーが複数のソフトウェアプラットフォームを活用してスキル向上やワークフローの改善をできるよう支援している。

チトニス氏は、移民にとって就職活動がこれほど難しい理由のひとつとして「他国から来たため、知り合いがほとんどいない」ことを挙げ、それが人脈作りをより困難にしている、と付け加える。彼は、父親の友人の一人である建築家が初のインターンシップに就く手助けをしてくれたと語り、そのことに感謝している。

コリアー氏は、こうした「懸命な努力」が、移民のあらゆる行動に表れていると述べる。「私たちが人一倍努力するのは、他の人より抜きん出たいからではなく、生き抜くために必要なことだからです」。アザド氏はさらに「住んでいる国の文化を理解し学ぶことは非常に重要」と付け加える。「こうした文化的な違いを把握し、理解し、学ぶことは、単なるスキルではなく、必要不可欠なことです」。

新しい環境への適応という課題

多国籍のメンバーで構成されたチームが、オフィスで事業計画について打ち合わせをする様子
文化によってコミュニケーションのスタイルが異なることを認識しておくことが重要だ

米国へ移住したAECO分野のプロフェッショナルは、キャリアを築く上で、ビザの問題から効果的なコミュニケーション、人脈作りに至るまで、多くの課題に直面している。移民はまた、アメリカのポップカルチャー特有の話題を理解することや、上司をファーストネームで呼ぶことに慣れること、あるいは公共交通機関があまり発達していない環境に適応することなど、文化的な課題にもぶつかる。

新しい測定単位へ移行することでさえ、特に技術系業界の人々にとっては大きな戸惑いとなり得る。「メートル法で工学を学んできましたが、アメリカに来てみるとすべてがヤード・ポンド法でした。そのため、仕事中に頭の中で単位を換算する方法を身につけるのがとても大変でした」チトニス氏はこう話す。しかしコリアー氏は、メートル法とヤード・ポンド法の両方の単位系を理解しておくと、海外の企業とのコラボレーションに役立つと話す。

コリアー氏はまた、バイリンガルであることを「恵み」と捉えており、米国に移住したばかりの頃なら、このようにステージに立って大勢の人々の前で話すことに「恐怖を覚えただろう」と語る。「しかし、その恐怖を乗り越えなければなりません」と、コリアー氏。

アザド氏も、移民にとって効果的なコミュニケーション能力は不可欠であるという点に同意する。「技術的なスキルはとても重要ですが、それだけでは十分ではありません」と、アザド氏。「私たちの実力は、コミュニケーションできる範囲でしか発揮できません。プレゼンができない、優れた製品やスキル、アイデアを売り込んだり披露したりできなければ、何にもなりません。そのようなアイデアは誰にも気づいてもらえないからです」。

コミュニケーションのスタイルは、マネジメントの手法や問題解決の方法と同様、文化によって異なる。たとえばアザド氏は、米国では率直でオープンなコミュニケーションが非常に重視されていることに気がついた。そのため「積極的に質問をしたり、自分のアイデアを伝えたり、同僚と議論を交わしたりするようになりました」と話す。

Symetriの戦略コンサルタントであり、サステナビリティの提唱者でもあるリン氏は、自身の文化では、相手が話し終わるまで待ってから発言するのが礼儀だと述べる。結果的に、彼女は仕事の中で自分の意見を積極的に述べるよう、自分に言い聞かせる必要がある。ただし、「私の文化は、より礼儀正しく、ダイレクト過ぎないコミュニケーション手法を与えてくれてもいます」と、リン氏。これは、チームで仕事をする際や、対立を解決する際に役立つという。

企業はグローバル人材の活躍をどう支援できるか

最高の人材を採用するということは、世界中からその人材を探し出すということを意味する。しかし、移民が職場にうまく溶け込み、彼らが活躍できるよう支援するには、企業は「文化的な違いを受け入れ、尊重する」必要があると、アザド氏は強調する。さらに、企業は移民を支援する他の方法についても検討すべきだ。たとえばリン氏は、移民手続きの過程に「乗り越えなければならないハードル」が非常に多く、その手続きを進めるための支援や情報にもっとアクセスできればよかったと語っている。

ネットワーキングやメンタリングも、移民の社会での活躍を支援する手段のひとつだ。チトニス氏の会社には正式なメンター制度はなかったが、上司の一人が彼のメンターとなってくれた。「彼は私の愚痴を聞き、仕事を教え、どうすべきか導いてくれます––素晴らしいことです。誰かから学べるというのはいつでも素晴らしいことです」。

移民を支援する取り組みは一時的なものであってはならない。全社全体を挙げてトップダウンで進められる必要がある。「それは結局のところ、企業文化や、リーダー陣が移民の価値をどう捉えているかによるのです」リン氏はこう話す。ウェブサイトに「私たちはDEIを重視する企業です」と記載するだけでは十分ではない。企業は「そうした支援的な環境を意図的に構築」する必要がある、とリン氏は強調する。

Shawn Radcliffe

Shawn Radcliffe について

ショーン・ラドクリフはカナダ、オンタリオ州を拠点とするフリーランスのジャーナリスト兼ヨガ講師で健康や医療、科学、建築、エンジニアリング、建設、またヨガや瞑想に関する記事を専門としている。コンタクトはShawnRadcliffe.comにて。

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