2年以上にわたり、鉄道車両の改造、修理、保守を専門とするAFFのデザイナーと職人陣は新しい客車を製造してきた。間もなくこの列車は、ベル・エポックの精神を取り入れた5泊6日の豪華ホテル列車の旅、Le Grand Tourとしてフランスを横断する予定だ。この列車は、まだ運行を開始していないにもかかわらず、すでに大きな話題を呼んでいる。
「これは完全に新しいプロジェクトであり、私たちを全く新しいレベルへと引き上げてくれました」と、AFFテクニカルディレクターのウィリー・スナウワート氏は述べている。「当社は突如として、鉄道車両の保守サービスからオートクチュールの工場へと変貌を遂げたのです」。
このプロジェクト以前、この社員15名の中小企業は貨物列車や客車の整備を行っていた。しかし、わずか半年の間に、AFFはエンジニア、整備士、配管工、暖房技師、電気技師、建具工、インダストリアルデザイナーなど、さまざまな職種の従業員を新たに70名採用し、この豪華列車体験を提供する顧客企業Puy du Fouの要求に応えている。
ハイエンドのサービスとアメニティを備えた長距離ラグジュアリー列車の製造は、AFFチームにとってサービスを拡大する機会となり、特に保守部門にしの効果が大きく現れた。このプロジェクトのおかげで、同社は豪華列車の旅に興味を持つ情熱的な旅行者という市場へ焦点を向けるようになり、車内のグルメレストランや、高級ホテルのように各キャビンにバトラーを配置するといったサービスを提供することになった。この列車はまだ線路に乗り入れてもいないが、すでに予約が殺到している。このプロジェクトは同社がヨーロッパにおける類似市場を探すためのショーケースとなると、スナウワート氏は話す。「技術面からも規制面からも、これは非常に特別なプロジェクトです」。
開発と承認の段階を高速化すべく、AFFは2つの重要な決定を下した。第一に、1960年代の鉄道車両を入手し、認可されたモデルに基づいて改修したこと。第二に、プロセスを完全にデジタル化したことだ。これについてチームは、プロジェクト規模を拡大するため、その適用手法を素早く学ぶ必要があった。AFFのデジタルトランスフォーメーションは2021年2月に始まったが、翌年9月には効率よく使用できるレベルに達した。
同社はデジタルモデルにAutodesk Inventorを使用した。これによりチームは、新要素をデジタルモックアップへと統合し、インターフェース要素を開発し、部品製造用の図面に変換できる。「これなしにプロジェクトを遂行することは不可能だったでしょう」スナウワート氏はこう話す。
このプロセスをスムーズに進めるため、また、複数のデザイナーが同じドキュメントで作業中に誤って互いの作業を上書きしてしまわないよう、AFFは、オートデスクによるクラウドベースの製品データ管理 (PDM) ソリューションUpchainを採用した。UpchainはInventorに統合し、デザインデータとエンジニアリングプロセスを管理するため、AFFチームはデータの検索に時間を費やすことなく、作業に集中することができる。
「同期の問題を経験したり、データが失われて心臓が止まるような場面が何度かありました」と、スナウワート氏。「私たちには製造したパーツの過去のバージョンを検索できるデジタル保管庫が必要でした。このツールのおかげで、不適切な作業方法を特定し、それを修正しながら、プロセスを継続的に向上させることができるようになりました」。
業務レベルにおいて、AFFはデジタルツールにより効率の向上を実感している。従来、データリサーチはデザイナーの作業時間の最大20%を占めており、データが失われるとさらに20%の時間が失われることもあった。「AFFは小さな会社ですが、オートデスクとRMRから、これらのツールの使用に関して素晴らしいサポートを受けています」スナウワート氏はこう話す。
アーカイブの問題を解決した現在、AFFチームは2Dおよび3Dの図面が適切な担当者へと送られるよう、承認と検証ワークフローの向上に取り組んでいる。「次のステップは、スペアパーツのライフサイクルを管理し、購入と在庫の適切なバランスを確保することです」とスナウワート氏は話す。
Le Grand Tour客車のローンチに加えて、AFFはLe Grand Tourプロジェクトによって鉄道車両に新技術を組み込む技術へと業界の専門家からの注目が集まることを期待している。デジタルトランスフォーメーションについて言えば、AFFは過去の栄光に安住して次の列車に乗り遅れるつもりはなさそうだ。
フランスのラジオのエディターを務めるマキシム・トーマスは、デジタル トランスフォーメーションやその結果など、産業化のさまざまな面をカバーしています。
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