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Autodesk Fusion は、EAGLE の販売とサポートが終了する 2026 年 6 月が迫る中で、使いやすさの向上や、複雑な設計でのよりスマートなルーティング、PCB の設計から製造までのスムーズなワークフローを目指して進化を続けています。
EAGLE の販売とサポートが 2026 年 6 月 6 日 (日本時間) に終了するため、長年ご利用いただいているユーザー様の多くが今後について慎重に検討を行っていらっしゃることと思います。
EAGLE は 30 年以上もの間、世界中のエンジニアや学生、企業によるプロフェッショナルな PCB 設計において、その基盤となる役割を果たしてきました。EAGLE 上で構築された多くのワークフローや習慣、キャリアは今日でも重要なものであり、その遺産は今後も重要な意味を持ち続けます。
この記事では、Autodesk Fusion の電子設計がいかに進歩してきたかをご紹介したいと思います。EAGLE を利用されていた皆さまが大切にしてきた基本理念を継承しつつ、より複雑な基板のサポート、機械設計との緊密な連携、そして設計から製造へのスムーズな移行を実現するよう、Fusion におけるユーザー体験は進化を遂げています。
この記事では全機能は網羅できませんが、EAGLE から Fusion への移行を検討されている方に向け、重要な改善点の一部を実用的な視点からご紹介します。

より大規模で複雑な基板の設計を、ツールの限界を超えることなく実現
Fusion は、複数のシートにまたがる設計、高密度なレイアウト、高度なレイヤー スタックアップなど、より複雑な設計も確実に処理できるよう設計されています。設計規模の拡大に従い、EAGLE の 16 画層に対して最大 64 画層の銅箔に対応したことで、大幅な余裕が生まれました。また、アップグレードされたレイヤー スタック マネージャで、レイヤー スタックの実用的な定義と管理がさらに容易になり、きめ細かい制御も可能になりました。ホビーユーザー向けの個人利用版 Fusion においても基板のサイズ制限が緩められ、層数も 2 層から 4 層へと拡大されています。

階層デザインや再利用可能なモジュールの扱いも、さらに簡単になりました。電子デザイン ブラウザにより、シートやモジュールの全体像を明確に把握可能。ポート選択と接続性の改善により、設計レベルをまたいだ信号の定義、追跡が容易になりました。設計の複雑さが増しても、参照指定子の平坦化により、参照指定子の可読性と拡張性を維持できます。

ライブラリやコンポーネントの扱いを、より短時間で
ユーザーの皆様からのライブラリの操作性に関するフィードバックを真摯に受け止め、必要なコンポーネントの検索や作成を行うプロセスを簡素化しました。
新しいツールによって既存の EAGLE データを Fusion エコシステムへシームレスに移行できるようになり、ライブラリ タイプに関する混乱を解消。検索機能の強化、コンポーネント コレクションの拡充のほか、コンポーネント名を使用して、パブリック ライブラリをより直感的に閲覧できるようになりました。

新しいコンポーネント作成環境は、親しみやすく、かつ強力です。STEPファイルをコンポーネントに直接アップロードして添付したり、サードパーティ製のiComponentsを既存のライブラリ構造に迅速かつ簡単に組み込んだりすることで、手間のかかる手順を省くことができます。
新しい階層型の属性機能により、煩雑な属性管理は過去のものとなりました。新しい属性エディタでは、属性の詳細なレベルでの定義、コンポーネント間の値のコピー、値のスコープのカスタマイズなどが可能。完全に定義された属性セットを容易に管理・維持するためのツールが提供されます。属性はコンポーネント検索機能全体で利用でき、配置時にも簡単に確認できます。

基板の設計と配線を高速化
設計システムのコアへ組み込まれた高度な障害物回避機能(プッシュ/挿入)により、手直しにかかる時間を大幅に削減できます。これと、制約条件に基づくステッチング&ティアドロップ機能により、Fusion の電子設計機能はお客様の設計プロセスを強力にサポートします。

もちろん、シンプルな機能を軽視しているわけではありません。高密度配線のために未使用の銅パッドを削除したり、設計が複雑化しても明瞭さを維持するようネットを色分けすることも可能です。それによって信号を迅速に特定し、配線ミスを減らし、高密度レイアウトにおいても設計を確実に制御できるようになります。


デザインルールのシステムは、以前よりもはるかに高性能になりました。個々のネットやコンポーネントから信号のクラス全体に至るまで、特定の範囲をターゲットに設定できるようになり、重要な箇所にのみ制約を正確に定義できます。これにより、設定を過度に複雑にすることなく、高速な配線、間隔、製造上の制約など複雑な要件に対応することが可能です。

パフォーマンスの継続的な向上
Fusion Electronics では、引き続きパフォーマンス向上が最優先事項であり、過去数年にわたり多くの改善を着実に実現してきました。処理の遅延が作業の妨げになることを理解し、ワークフローの主要な領域に焦点を当てたパフォーマンス改善を行っています。
大規模な設計のナビゲーション、回路図の編集、高密度基板の配線など、日常的な作業における読み込み、保存、切り替えの速度が向上して、レスポンスが明らかに向上しました。また、回路図、PCB、3D PCB 間のワークフローもよりスムーズになり、手作業のステップが削減されたことで、設計の作業全体がよりスムーズで予測可能なものになりました。
設計から製造までを単一のツールで完結
電子設計と機械設計を単一の統合環境に統合されている Fusion でのエレメカ連携は業界最高水準であると自負しています。2D と 3D の PCB ワークフローが連動していることにより、変更が基板と筐体の間でシームレスに反映されます。これにより、手作業での修正無しに、すべての要素が常に同期します。電子設計と機械設計の環境間の更新は、ワンクリックで完了。一貫した設計プロセスにより、適合性、形状、機能の検証が格段に容易になり、かつては分断されていたワークフローが、完全に統合された設計エコシステムへと生まれ変わります。

BOM (部品表) 管理
柔軟なエクスポート オプションを備えたネイティブな BOM 生成機能により、スクリプトに頼ることなく、参照記号の再番号付けを簡単に行ったり、部品属性を直接管理したりできます。

ドキュメント
Fusion は、製造およびドキュメント出力を最高水準で実現。ODB++への対応に加えて、専用の図面ワークスペース内で、設計階層内の PCB の位置を問わず、わずか数回のクリックで忠実度の高い図面を生成できます。ドキュメントは設計と連動して更新されるため、手作業による修正や介入なしに、常に最新の状態を維持。自動マスク/ステンシル生成機能のサポートにより、製造性考慮設計 (DFM) がさらに容易になりました。

設計の共同作業と管理を競合無しに実現
ネイティブな予約機能を活用することで、設計の共同作業は予測可能で競合しないものとなり、チーム間の変更調整が容易になります。作業内容は自動的にバージョン管理されるため、手動でのファイル管理に頼らずに、完全な履歴と安全策を確保できます。常にデータが確実に整理、同期、保護されるため、設計作業に集中可能です。


Fusion の電子設計機能は、そのコアに EAGLE の精神を受け継いでいます。今日の電子デザイン ワークスペースのあり方を、同じ基本理念と明快さ、効率性、設計意図が形作り続けているのです。EAGLE へ行った投資が無駄になることはありません。その設計とライブラリ、ノウハウは、将来のニーズに合わせて拡張できる高性能な専用エレクトロニクス環境へと引き継がれます。
過去に Fusion の電子設計機能をお試しいただいた方々の中に、スピードや柔軟性、使い勝手がまだ十分でないと感じられた方がいたことを私たちは認識しています。そのご意見を真摯に受け止め、数年に渡って改善に取り組んできました。その結果、現バージョンは初期リリースよりも処理速度が大幅に向上し、安定性も高まっている上、機能面も格段に進化しています。
EAGLE の販売とサポートの終了を迎えるにあたって、私たちの目標はシンプルです。それは、現在皆様が採用している設計手法をサポートし、将来も成長させられるような、明確で実用的な移行パスを提供することです。
移行に際しては、ぜひ「EAGLE から Fusionへの移行ガイド」をご活用ください。