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2025 年の Autodesk Fusion ロードマップで、今後リリース予定の機能をいち早くご紹介します。オートデスクがこれらの分野に投資している理由と目的をご覧ください。

2024 年は Fusion にとってエキサイティングな1 年となりましたが、それは 2025 年も続きそうです。昨年は、「設計から生産までをつなげる柔軟なデータ連携」のビジョンにフォーカスして開発を進めました。オートデスクはこのビジョンの下に、生産性を大幅に高めるという最も重要な目的を実現するだけでなく、意思決定やコラボレーションを向上するなど、数多くの可能性を広げることを目指しました。
そして最終的には、付加価値を生まない繰り返し作業を排除して時間の無駄をなくすことで、ビジネスにとって真に重要な「イノベーションの推進」という課題にチームが集中して取り組める環境を実現することを目指しています。
オートデスクは、すべてのツール間のデータを連携させるとともに、Fusion による日々のワークフローに AI 搭載のツールを組み込むことで、従来のサイロ化されていた業務の壁を取り払い、あらゆる分野の生産性を向上させることに成功しました。2025 年も引き続き、AI が業務プロセスにもたらすメリットを拡大していくことで、日常業務をさらに容易にすることを目指します。また、しばらく更新されていない機能の見直しも行います。
目次
免責事項
この記事には、将来的な事象や会社の業績に関する今後の見通しを記述する内容が含まれる場合があります。 将来に関するこうした記述には、仮定やリスク、不確実性が含まれます。その詳細については、オートデスクが米国証券取引委員会(SEC)に随時提出している文書(特に、直近の年度末に提出した年次報告書および 10-K)に記載されています。 これらの文書には、将来に関する記述に含まれる内容が実際の結果と異なる場合の原因となる重要な要素が明記されています。
また、オートデスクは、既存または新規の製品およびサービスを開発する計画または予定について記述する場合があります。これらの記述は、製品、サービス、または機能を将来提供することを約束または保証するものではなく、その時点における計画を反映したものに過ぎないため、変更される可能性があります。そのため、これらの記述に基づいて購入を判断することはお勧めしません。
オートデスクは、これらの記述を発表後に発生した事象や状況、変化に応じて、これらの将来に関する記述を変更する義務を一切負いません。
Fusion 2025 の重点分野:3 つの柱

オートデスクは、日常業務のワークフローを合理化するという目標を達成するために、今年は「クラウド データとコラボレーション」、「設計と製造」、「AI と自動化」という 3 つの重点分野を柱に開発に取り組みます。具体的には、ワークフローの質向上から、アセンブリ機能の強化、スケッチにおける拘束を AI が予測する新しい自動拘束機能の開発まで、多岐にわたる画期的な計画を立てています。それでは、詳しく見ていきましょう。
クラウド データとコラボレーション
Fusion のデータ管理機能は、これまで長い時間をかけて進化してきました。オートデスクは、クラウドベースの CAD/CAM 統合ソリューションの先駆者として、業界の古い常識を打ち破り、いつでも、どこからでも、どのマシンからでも簡単にデータにアクセスできる環境を実現しました。
そしてここ数年は、クラウドベースのデータ環境がもたらす真のメリットが実証されました。個人やチーム間でリアルタイムにコラボレーションでき、リモートワークでも常にプロジェクトとつながっていることができる環境は、今や不可欠になっています。そしてオートデスクは現在、共通データ環境のプラットフォームにデータを集約する取り組みを行っています。設計から製造までのプロセス全体を通じて、すべての関連データを収集・保持できる環境を実現するために、部品表の改善と、オートデスク API のさらなる拡張を進めています。
コラボレーションのためのプラットフォーム
チームのコラボレーションを実現するためには、まず、チームのデータを 1 つの環境に集約することから始める必要があります。そのためには、すべてのチーム メンバーが同じ場所にアクセスして作業できるよう一元化したハブを構築します。これにより、個々のメンバーが「シングルユーザーストレージ」で作業する場合には得られないメリットがもたらされます。
そのためオートデスクは、シングル ユーザー ストレージを使用しているユーザーがこうした優れた機能にアクセスできるように、 Fusion ハブの環境開発に取り組んでいます。シングル ユーザー ストレージのプロジェクトを Fusion ハブに転送すれば、[ホーム]タブ、コンフィギュレーション、プロジェクト間の参照、締結部品、フォルダーレベルの権限など、さまざまな便利な機能が利用可能になります。セキュリティとユーザー管理の機能が追加されていることも、Fusion ハブのメリットの 1 つです。オートデスクは 2024 年にフォルダーレベルの権限を設定できる機能を導入し、それ以降もハブレベルのグループ機能を強化してきました。ユーザーの皆さまからのフィードバックに基づき、フォルダー権限モデルを拡張したところ、グループの作成が容易になっただけでなく、これらのグループを見つけて他のフォルダーで再利用することも容易になりました。
統合されたクラウド データ
プロパティの共同編集
オートデスクは今後、設計に含まれるコンポーネントの記述やプロパティ値の編集をさらに改善するために、Fusion のプロパティ リストを強化することを計画しています。これにより、複数のユーザーや自動化機能が、さまざまな Fusion クライアントから同時にプロパティ値を編集できるようになります。プロパティを変更すると、保存操作を行う必要もなく即座にクラウドに反映され、リアルタイムで更新されます。さらに、ロックや競合を気にすることなくメタデータを更新できるように、自動化機能をサポートする API を開発し、プロセスをさらに容易にすることを計画しています。これらの改善によって、フィールドに値をスムーズに追加できるようにすることで、さらに効率的でコラボレーションしやすい環境を整えることを目的としています。
部品表に関する継続的な取り組み
オートデスクは昨年、Fusion に部品表(BOM)を導入しました。データの変革と統合されたクラウド データ環境というオートデスクのビジョンを強化する上で、BOM は重要な役割を果たします。製品に欠かせない本質的な情報を BOM に統合することで、設計・製造プロセス全体にわたる効率的な管理とコラボレーションが可能になります。オートデスクのプラットフォームの機能をさらに進化させ、優れた成果の実現を支援する最先端ツールをユーザーの皆さまに提供するためには、BOM の開発に継続的に取り組むことが不可欠です。
そこで皆さまからのフィードバックを基に、Fusion の BOM 機能の大幅な強化と拡張を進めています。 前述した新しいプロパティは、BOM 内の列に追加されます。これにより、BOM の環境でプロパティ値を編集することが可能になります。また、設計に含まれる物理プロパティ情報を BOM に追加することで、質量や密度、境界ボックスに関する情報を提供できるようにします。さらに、BOM を分かりやすく表示できる新しいビューも追加されています。アセンブリ内で使用されている部品のリストを簡単に確認できるため、ワークフローがよりスムーズかつ効率的になります。これらのアップグレードは、単なる新機能の追加ではなく、Fusion におけるプロパティ管理を改善することを目的としています。
内部コンポーネントをサポートする Manage Extension と BOM ワークフロー
オートデスクは、設計の再利用を最適化するために、既存の設計を参照してアセンブリを設計することを推奨しています。しかしワークフローによっては(トップダウンの設計手法や、コンフィギュレーション機能を使用する場合など)、内部コンポーネントを作成することが最適な場合もあります。そのような場合は、同じ部品番号をもつモデルが重複して生成されます。
そこで、こうした事態にならないように、部品番号に基づいて設計をグループ化できるように機能強化を進めています。これにより、重複が存在しても、Fusion ハブ全体で部品表との一貫性を維持できるようにすることを目的としています。また、Manage Extension でこうしたコンポーネントのリリースや変更管理を行う際にも、ワークフローを合理化するとともに、拡張機能内で重複アイテムが作成されることを回避するために、この強化機能が使用されます。
API 機能の強化

Fusion API を使用すると、ソフトウェアの機能を強化またはカスタマイズするためのスクリプトやアドイン、アプリケーションを開発できます。これにより、タスクの自動化や新機能の導入、外部システムとの統合など、さまざまなことを行えます。また、カスタマイズしたプロパティを使用してデータ モデルにデータを書き込める機能など、画期的な新機能を API に追加することも計画しています。このクラウド API は Fusion クライアント API とは異なるもので、GraphQL を採用しています。GraphQL なら Autodesk Platform Services 内の複数のサービスを連携させて、単一の使いやすいインターフェイスを提供できるからです。
また、このクエリ言語をベースにすることで、開発者は特定の情報だけをクエリして取得することができます。従来の REST サービスのように大量のデータを取得する必要はありません。これは重要なポイントです。個々のコンポーネントのライフ サイクル ステータスや BOM 全体のビューをクエリする場合も、他のすべてのプロパティを一緒に取得したり、アプリ内で解析したりせず、必要な情報のみを取得することができます。
AI と自動化
AI と自動化の進化は、オートデスクの将来的なビジョンに欠かせない重要な要素です。時間がかかるだけで付加価値を生まない繰り返し作業を排除することで、イノベーションの推進というビジネスにとって真に重要な業務に集中できるようになります。
スケッチの自動拘束
スケッチの自動拘束の機能によって、スケッチの拘束を作成するプロセスがシンプルになります。システムが AI ツールとヒューリスティックを活用してスケッチを解析し、予測に基づく安定した拘束を提案します。寸法と拘束を簡単に編集することができ、システムはその変更内容に応じて、最新情報に基づいた結果を新たに提案します。なお、従来どおりに、ユーザーが手動でスケッチの拘束を作成することもできます。この機能は、Fusion を使い始めたばかりのユーザーでも、堅牢なスケッチを作成し、ワークフローを迅速に進められるように支援することを目的とするものです。
締結部品ライブラリの機能強化
オートデスクは現在、長さのカスタム機能の開発を進めています。この機能では、締結部品の長さを自分で定義し、それをライブラリに追加できます。これはつまり規格外の長さの締結部品を登録できるということです。また、部品の厚みや長さなどが増すと、それに応じて自動的に適切な増分で締結部品を更新されます。

さらに、締結部品の検証ツールによってアセンブリが自動的に解析され、締結部品のないねじ穴が検出されるなど、締結部品関連の問題を特定できます。また、適切な位置に締結部品を追加することも提案してくれます。ねじの種類やサイズの不一致を特定して警告したり、誤った締結部品を適切なものに交換することを提案してくれるこのツールは、(すべてのミスを防げるわけではないかもしれませんが)問題の回避に役立ちます。また、継続的に作業を解析できる優れた手段となります。
図面の自動化
オートデスクは今後、図面内の締結部品の機能に AI を取り入れることを計画しています。AI がアセンブリを確認して締結部品を識別し、それらを図面の自動化から除外することで、オーバーヘッドの削減や正確な部品表の提供に役立ちます。

これにより、適切な部品や部品表の作成が容易になります。エンジニアは、手順が多くミスが起こりやすい現在の手作業を行う必要がなくなり、より付加価値の高い作業に集中できるようになります。また、コンフィギュレーションの管理機能を強化し、複数のコンフィギュレーションの図面を自動的に作成できるようにすることも計画しています。
複合軸除去
AI は既に部品のプログラミングを迅速化するために役立っていますが、今後さらに自動化を強化する機能を追加していきます。たとえば、複合軸除去の操作では、5 軸粗取り加工の際にモデルの湾曲した床や傾斜した壁を解析し、アンダーカット領域へのアクセスを改善します。これにより、繰り返しの選択作業を減らせるだけでなく、より最適なツールパスを生成できます。
設計と製造
設計
昨年、 Fusion で作成された設計データは、数百万点に上ります。オートデスクの開発における最優先事項には、AI のリリース、図面の自動化、アセンブリの作成を容易にする機能などが含まれました。より小さな機能強化として、両側のオフセットなどは、時間の節約につながるだけでなく Fusion がより楽しく使いやすくなったということで、コミュニティにとても好評でした。それでは、アセンブリ、コンフィギュレーション、シミュレーション、自動化に関する今後の計画をご紹介しましょう。
アセンブリ
Fusion ユーザーの業務や生活は Fusion に大きく左右されます。そこでオートデスクは、Fusion がその責任を確実に果たせるようにすることを目指しました。アセンブリの強化については、今後 1 年間は次の 3 点に重点を置いて開発を進めていきます。パフォーマンス(迅速かどうか)、ユーザー エクスペリエンス(簡単かどうか)、機能(設計を完成できるかどうか)の 3 点です。
新しいパフォーマンス フィードバック ツールでは、特定のワークフロー データから重要な情報を収集できるようになります。このツールが、実際のワークフローを迅速化するという目的にフォーカスした強化機能のリリースに役立つでしょう。このツールは、複数の使用事例を一度に追跡できる包括的なテスト機能を備えたものになります。
また、新しいアセンブリ エクスペリエンスとして、製品の構築を大幅に迅速化するためのツールへのアクセス方法も開発しています。コンポーネントをすばやく簡単に組み立てられるように、アセンブリ内のコンポーネント間の位置関係をとても簡単に設定できるコマンドを作成することを計画しています。このコマンドには、運動学的・空間的な関係性や、どのように接続するか、接続後にどのように動作するかがすべて含まれます。使いやすく、見つけやすいコマンドにする予定です。
コンフィギュレーション
Fusion のコンフィギュレーション機能では、製品のあらゆる種類やサイズのコンフィギュレーションを作成できます。現在のコンフィギュレーションの特長は、データ モデルに基づいて構築されることです。これにより、データが個々のファイルから分離されるため、さまざまなコンフィギュレーションを簡単に作成できるほか、すべてのファイルが過剰に含まれることがありません。
オートデスクは現在、複雑な作業のコントロールをさらに高めるために、ルール エンジンの開発に取り組んでいます。このエンジンはコードベースとなりますが、ロー コードなので、この機能を利用するために Python などのプログラミング言語を学ぶ必要はありません。このルール エンジンにより、ミスが起きやすい繰り返し作業が減り、自動化を構築しやすくなります。

ルール エンジンでは、「この場合はこれを実行する」という形で、選択の意思決定を自動化できます。 オートデスクの目的は、特定の方法に制限されるようなテンプレートを提供することではなく、便利なツールを提供することです。このルール エンジンによって、ミスが起きやすい繰り返し作業が減り、自動化の構築がとても容易になるでしょう。また、独自の製品コンフィギュレーターを作成するという新たな可能性も広がるでしょう。
図面
図面の自動化機能は、その基盤となる基本機能に大きく左右されます。そのためオートデスクはまず、今後 1 年間を通じて、図面機能のさらなる強化を進めていく予定です。具体的には、ビューやドリル テーブル、スケッチのカスタム記号の改善をはじめとする、高度な ECAD の統合を行います。
また、図面内でスケッチをカスタム作成し、それを再利用できるようにするための開発も進めています。これにより、図面内に独自のスケッチを作成し、それを記号として使用できるようになるため、必要な要素を意図通りに作成し、何度も再利用できるようになります。
シート メタル
オートデスクは、シート メタル(板金)の組み立てに関する包括的な作成機能を追加し、複数ボディの溶接による結合やその複雑な形状を表現することを、さらに容易にするために、シート メタル ツールにさらに投資を行います。たとえば、板金部品が 2 つある場合、それらを簡単に板金による結合であることを表現できるようにする必要があります。現在のところ、Fusion でこれを行うのは困難で、ロフトやその他のツールを使用する必要があります。このプロセスを容易にし、2 つのエッジを直接接続できるようにすることを目指しています。

シミュレーション
オートデスクは、シミュレーションがより使いやすくなるように、シミュレーション結果でどのようなことができるかを説明する、ガイド付きの情報を提供することにしました。現在のところ、ユーザーは結果を自身で解釈し、次のステップを考える必要がありますが、これを行うためにはある程度の知識とスキルが必要になります。

そこでオートデスクは、シミュレーションをよりわかりやすくし、多くの人が効果的に活用できるようにしたいと考えています。現在、シミュレーション インターフェイスの刷新と最新化を図り、対象に合わせてわかりやすく視覚化する機能や、発生した事象の概要を示す機能、次のステップを提案する機能などの開発を進めています。ユーザーはこれらの機能を活用して、設計の目標を設定したり、進捗状況を計測したりできるようになります。
電子設計
テクノロジーを駆使したコンシューマー製品の設計を成功へと導くためには、適切な電子設計を作成することが重要です。Fusion では、PCB 設計を 2D から 3D へとシームレスに移行できます。スムーズに統合されたエレメカ設計のワークフローで、メカ設計者と電子設計者がかつてないほど効果的にコラボレーションできるようになりました。オートデスクは 2025 年も引き続き、メカ設計者と 電子設計者のコラボレーションをさらに強化するための取り組みを行います。私たちの最優先事項は、すぐに利用できる電子設計ツールの範囲を広げ、高パフォーマンスと使いやすさを維持することです。
製造
オートデスクは昨年まで、設計から製造までのワークフローをよりスムーズにするための取り組みを進めてきました。具体的には、自動ねじ認識機能を追加して、旋盤ねじ切り加工を改善したほか、マシン シミュレーションや衝突検出などのシミュレーション機能も大幅に強化しました。また、新しい複合軸仕上げ加工法を導入したことで、フライス加工機能が大幅に向上し、コントロール性が上がりました。
オートデスクは今後も引き続き、製造分野に優れた価値を提供し続けることを目指しています。そしてこれを実現するために、今後 1 年間の重点分野として、オートデスクの強みであるワークフローのさらなる成熟と自動化を進めるとともに、業界の大きな課題であるギャップの解消や、製造プラットフォーム全体の価値向上に取り組んでいきます。
複合旋盤加工

オートデスクは、旋削工具ホルダーをアップグレードします。これにより、既存のパラメーター化されたホルダーよりも高精度かつ安全に 3D モデルを読み込むことが可能になります。今後導入を予定している輪郭トレース加工法では、旋削のツールパスをより正確にコントロールできるようになるほか、工具がたどる正確なパスを直接コントロールできるため、従来アクセスできなかった領域にも到達できるようになります。 また、5 軸ツールパスを 4 軸および 4+1 軸に制限する機能を追加することで、複合旋盤加工機におけるフライス加工のニーズに対応するとともに、フライス加工と旋盤加工の両方のワークフローを強化します。
ドメイン間のワークフローの強化
オートデスクの目標は、設計機能を製造プロセスでも活用できるようにすることです。たとえば、パーツ ファイルを別のドキュメントで外部参照する際に、CAM データも一緒に読み込めるようにします。これにより、たとえばパーツをプログラミングする際に、別の工作物保持具に差し替える必要が生じた場合、既に行ったプログラミング作業を、パーツ ファイルからそのまますべて利用できるようになります。
また、設計意図を適切に反映させることができるように、製造セットアップと工具プリセットにストック材料を追加する予定です。これにより、たとえば製造セットアップを作成すると、設計の材料への事前定義されたマッピングに基づいて、適切なストック材料が自動的に割り当てられます。また、ライブラリから工具を選択する際も、そのセットアップのストック材料に基づいて、関連するプリセットがあるかどうかを確認できます。プリセット リストは適切に並べ替えられ、最も関連性の高いオプションがリストの上位に表示されるため、簡単に選択できます。
最後になりますが、この分野における重要な目標として、オートデスクは、すべての優れた設計機能が製造ワークフローにも価値をもたらすようにすることを目指しています。昨年は、設計のコンフィギュレーションを製造にも活用することで、同種類の部品のツールパスを迅速に生成できるようにしました。さらに今後は、コンフィギュレーションごとにツールパスを保存およびキャッシュすることで、デザイン コンフィギュレーションを切り替えてもツールパスが保存され、利用可能な状態に維持できるようにします。これにより、ツールパスを毎回生成し直す必要がなくなります。
製造現場間の連携
オートデスクは、CAD と CAM の連携を強化するという継続的なミッションを実現するためのもう 1 つの方法として、製造現場との連携をさらに強化し、工場やさらにその先へと拡張する取り組みを行っています。たとえば、Fusion を製造現場のマシンに直接接続してマシン稼働率の概要を表示できる機能や、Fusion からマシンに NC コードを直接送信できる機能などを開発しています。ネットワーク上のマシンに直接接続することで、異なるマシンや制御装置の間でも一貫したコード転送を行えるようになります。
フライス加工
オートデスクは、穴のテンプレートのカスタム作成機能を大幅に改善することも計画しています。キーの寸法を範囲やノミナル値として定義できる機能のほか、色や優先順位を割り当てる機能など、穴のプロファイルの各セグメントのコントロールを大幅に強化します。これらの新機能を組み合わせることで、プログラミング時に適切な穴テンプレートを適用できるようになります。

また、ドリルのツールパスも強化します。シャフトとホルダーの衝突を回避するためのオプションや、4 軸、4+1 軸、5 軸の結果をサポートする複合軸機能を追加します。これらの機能強化は、ドリル ツールパスの安全性と効率性を高めることを目的としています。
さらに、マシン モデルの情報をツールパスに取り込むことで、ツールパスの安全性と効率性を高めることも計画しています。この機能は、ツールパスの生成時にテーブルや工作物保持具などのコンポーネントとマシン スピンドルが衝突することを回避するために役立ちます。
Fusion の機能開発にご協力ください
ここでご紹介した今後リリース予定の新機能に、いち早くアクセスしませんか?Insider Program へのご参加を、ぜひご検討ください。Insider Program に参加すると、これらの新機能が一般公開される前に、オートデスクにフィードバックを直接提供し、機能改善に貢献することができます。
免責事項:ロードマップは計画であり、実現を約束するものではありません。オートデスクはお客さまと同様に、製品の新機能のリリースを心待ちにしていますが、機能の開発、リリース、およびタイミングについては、オートデスク独自の判断で決定します。 これらの記述は、製品、サービス、または機能を将来提供することを約束または保証するものではなく、その時点における計画を反映したものに過ぎないため、変更される可能性があります。そのため、これらの記述に基づいて購入を判断することはお勧めしません。