ビジュアル エフェクト界のベテラン、ケヴィン・ベイリー氏が生み出す新たな世界とビジネス

Atomic Fictionの共同設立者、Conductor TechnologiesのCEOであるケヴィン・ベイリー氏が語る、ビジュアル エフェクトの世界におけるクリエイティビティと企業家精神の融合。

Autodesk Video

2018年7月1日

 

ケヴィン・ベイリー氏は、19 歳でジョージ・ルーカスと仕事をするなど、ビジュアル エフェクト業界で素晴らしいスタートを切った。その後、Atomic Fiction を立ち上げ、映画「ザ・ウォーク」や Netflix のヒット シリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」などに参加。そのキャリアで学んだことを反映させ、先ごろビジュアル エフェクトやアニメーション業界向けのクラウド レンダリング サービス、Conductor をスタートしている。その彼が語る、クリエイティブなバックグラウンドにより、優れた企業家となったストーリーを紹介。

 

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Kevin Baillie, Conductor Technologies CEO/Atomic Fiction Co-Founder: ヘアスタイルは大丈夫かな?

ハイスクールの友達だったライアンと「ジュラシック・パーク」を見て、ああ、やるべきことはこれだ!と思いました。仕事にするかどうかでなく、恐竜の作り方を知りたかったんです。そこでハイスクールの集まりでビデオを作り始めました。とても楽しかったですよ。卒業の2日後には「スター ウォーズ エピソード1」の作業をジョージ・ルーカス本人と始めていました。その後、10年ほど別の会社で働き、や方ライアンと決断すべきときが来ました。別の人のために働くか、それとも自分たちで会社を始めるか? そしてAtomic Fictionを始めて、自分たちの責任でやっていくことにしたのです。

Atomic Fictionを設立して数年の間に、さまざまなクラウドレンダリングのアプローチを使いましたが、どれもうまく行きませんでした。アーティストにとって、変更の結果をできるだけ早く見られることが、とても重要です。思いついたアイデアが自分の中で本当に新鮮なうちに変更を行いたいですからね。

レンダリングのワークフローをクラウドに移すことで、無限の容量へ効果的にアクセス可能となります。それによりアーティストは変更の結果が何十倍、時には何百倍も早く得られることになります。そこで全てのレンダリングをクラウドで行えるような独自のツール、独自のプラットフォームを作ることにしました。そのプラットフォームがConductorになりました。

Conductorによって業界の人が、よりクリエイティブで、かつ仕事をうまく行えるようになる手助けができれば、Atomic Fictionというひとつの会社で行うより、ずっと大きなインパクトを実現できます。正しくインスパイアされた素晴らしいアーティストは、インスパイアされなかった、あるいは仕事に必要なツールが与えられなかった人より10倍、100倍も効果的に仕事ができます。健全で持続可能なビジネスを作り上げることは、クリエイティブなプロセスと対立することも多いのです。そのバランスを取ることが業界での成功には重要であり、Atomic Fictionが独自の存在である理由になっています。

我々が行うすべては、現実とある程度結び付いている必要があり、それによりオーディエンスは親しみを感じ、信じられるのです。そのもの自体でなく、語られるストーリーにフォーカスできます。最終的にどうなるかを理解してストーリーを語るものを生み出しています。これは他の人の作業とは逆の方法であることもあります。この業界で、それこそが関係性や仕事のプロセスを、とても興味深いことにしていることのひとつです。

常に自分よりスマートな人の意見を聞き、うまく行かないことの解決策を探すことが、素晴らしいモチベーションになっています。ものごとを向上させ、次の問題を探すことに決して終わりはありません。Atomic FictionとConductorから生まれた最大の恩恵は、オーディエンスへ語られるストーリーにインパクトを与えられている、ということです。

人生を楽しませ、楽しんだ人からフィードバックが得られる、それは私にとって本当に満ち足りた経験です。それに人々が素晴らしい仕事をして楽しい時を過ごし、人と出会って恋に落ち、結婚するような会社を作ることも、私にとってはとても充実しています。人生が生まれる環境を作り、それを素晴らしいものにしようとしています。究極の恩恵は、他の人の幸福です。

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