Fusion 360 のロードマップ:2023 年 

Keqing Song Keqing Song 11月 10, 2023

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Fusion 360 に関する 2023 年のロードマップと今後の計画を、公式発表に先駆けて少しだけご紹介しましょう。また、オートデスクが現在取り組んでいる機能開発の背景となる「理由」も説明します。 

免責事項:ロードマップは計画であり、実現を約束するものではありません。オートデスクはユーザーの皆さまにとって有益な新機能を製品に追加できるように努めていますが、機能の開発やリリースのタイミングについては、その都度の判断で決定します。ロードマップに示されるプロジェクトは全体の一部を抜粋したものであり、不具合修正やプラットフォーム/サービスの保守など、進行中のすべての作業を示すものではありません。ロードマップに示される最新情報に基づいて、購入の意思決定は行わないようにしてください。 

「今から行こうとしているところには、道なんて必要ないさ」 

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で、ドクことエメット・ブラウン博士がマーティ・マクフライに言ったように、オートデスクもまた、Fusion 360 で新たな道を切り拓くべく、気炎を揚げています。ここでは、オートデスクが見据えている可能性や、現在進めている取り組み、近い未来の予定について、わくわくするような最新情報を皆さまにご紹介しましょう。まずは本題に入る前に、オートデスクが Fusion 360 で達成することを目指しているビジョンを、全体的に軽く振り返りましょう。 

Fusion 360 に対するオートデスクのビジョン

異なるソフトウェア間で分断されたワークフロー、データ互換性の問題、多数のソフトウェアを組み合わせた結果の煩雑なライセンスとコストの管理…。こうした面倒な問題を、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。こうした問題は、かつての業務におけるソフトウェア使用方法に起因しました。現在は、もっと良い未来的な方法があります。オートデスクは、業務の妨げとなるこうした問題を完全に取り除くことを目指して、取り組みを続けてきました。 

Autodesk University 2022 で、オートデスク CEO のアンドリュー・アナグノストが発表した Autodesk Platform Services には、Autodesk Flow、Autodesk Forma、Autodesk Fusion の 3 つのインダストリー クラウドが含まれます。私たちは未来に向けて、オートデスクの製品間でシームレスにやり取りでき、ワークフロー全体が 1 つにつながり、拡張して他のサービスとも連携できるような環境の構築に取り組んでいます。つまり、ソフトウェア間を分断する障壁を取り除き、複雑で面倒な手続きや、時間・コスト・リソースの浪費といった問題が生じない環境を構築しています。 

 Autodesk Fusion:製品開発・製造分野に対するオートデスクのビジョン 

インダストリー クラウドの Autodesk Fusion について、オートデスクは一貫したビジョンを掲げています。私たちの目標は、設計チームと製造チームの共同作業を促進する、オープンで拡張可能なプラットフォームを構築することです。サイロ化されたワークフローを統合し、設計から製造までのプロセス全体が 1 つにつながる統合環境を実現しようと取り組んでいます。 

現在の進捗状況 

Fusion 360 は、オートデスクのビジョンの中でも、最も開発が進んでいる製品です。ここ数年 Fusion 360 を使用していなかった方が最新バージョンを使用すれば、パフォーマンスが飛躍的に向上したことに驚かれるに違いありません。数多くの魅力的な機能が追加されました。 

Fusion 360 は初期段階から、製品開発用の統合プラットフォームを基盤に開発されてきました。当初はクラウドベースの CAD/CAM ツールとしてリリースされ、現在では、複数分野にまたがるチームが共通のデータ モデルを介して連携できるプラットフォームへと進化しました。Fusion 360 では、設計コンセプトからエンジニアリング、2D/3D の PCB 設計、シミュレーション、2D 図面作成、試作検証、製造まで、プロセス全体をシームレスな統合環境で進めることができます。 

さらに、強力な自動化ツールを統合することで、Fusion 360 の機能を他のオートデスク製品やその他の製品へ拡張するというビジョンを掲げています。それこそが、他製品にはないオートデスク製品の特長であり、Fusion 360 が製品開発ソリューションとして多くの企業に選ばれている理由です。

2023 年度の目標 

オートデスクは今年、3 つの主要目標に焦点を当てて、ビジョンの実現に向けた開発を進めていきます。 

1, ワークフローを統合 
分断されているワークフローを統合し、シームレスな環境を実現することで、作業を迅速化します 

2, クラウド データを連携 
共通データ環境のプラットフォームを強化するとともに、オートデスクの API を拡張し、サードパーティ製アプリケーションの拡大を促進することで、環境の連携をさらに進めます 

3, 品質と自動化を向上 
プラットフォーム全体の品質・安定性・パフォーマンスを向上させるとともに、時間のかかる作業を自動化し、重要な仕事に集中できる環境を構築します 

最新のロードマップ 

Fusion 360 のコミュニティは、CAD 関連のコミュニティの中で最も多様性があり、情熱的で、急成長しているコミュニティの 1 つです。 さまざまなバックグラウンドの人々が、それぞれにユニークな方法で Fusion 360 を活用しながらコンセプトを具現化しています。そのため、私たちはロードマップの作成にあたり、今後の開発予定をすべて時系列で並べた大規模なタイムラインを作成する代わりに、分野ごとに分けてまとめて整理しました。以降は、すべてのセクションを順番に読んでも、関心のあるセクションだけを読んでも良いように構成されています。プロジェクトの各項目をクリックすると、さらに詳細が表示されます。 

設計・エンジニアリング 

作業の大部分は、設計から始まります。当然、多くの方々がこの部分に大半の時間を費やします。そのためオートデスクは今年も引き続き、中核的な設計ワークフローの開発を優先的に進めます。設計のチームワークが向上するツールや、さまざまな設計ニーズに応えるツールを開発します。 

電子設計 

テクノロジーを駆使したコンシューマー製品の場合、電子設計が成功を左右する重要な要素となります。Fusion 360 では、2D/3D の包括的な PCB 設計環境を実現しました。3D CAD と  PCB 設計の設計ワークフロー全体を統合したことで、機械設計者と電気設計者がかつてなく強固に連携できるようになりました。 

オートデスクは引き続き、時系列のパフォーマンス分析機能や、機械設計者と PCB 設計者の共同作業 ワークフロー、既定の環境設定の操作性の向上に注力して開発を進めます。また、パフォーマンス、使いやすさ、部品表の精度、コンポーネントの処理能力の向上にも取り組みます。

製造 

長年にわたる改良を経て、Fusion 360 の製造機能は飛躍的に向上し、複雑かつ精密な部品も簡単に作成できるようになりました。製造ワークフローと CAM 機能の統合によって、設計から製造への移行がシームレスになり、製造プロセスが加速しました。今年は、ターンミルとフライス加工の機能強化に優先的に取り組みます。また、CAD と CAM のシームレスな連携機能の強化も、今年の優先事項です。ワークフロー全体を通じて重要なデータを維持する機能や、各ツールの定義の確立に取り組むとともに、自動化機能もさらに強化していきます。 

データ管理とコラボレーション 

Fusion 360 のデータ管理機能は、これまで長い時間をかけて進化してきました。オートデスクは、クラウドベースの CAD/CAM 統合ソリューションの先駆者として、業界の古い常識を打ち破ってきました。そして、いつでも、どこからでも、どのマシンからでも簡単にデータにアクセスできる環境を実現しました。ここ数年の間に、クラウドベースのデータ環境がもたらす真のメリットが実証されました。個人やチームがリアルタイムでコラボレーションでき、リモートワークでも常にプロジェクトとつながっていることのできる環境は、今や不可欠です。現在、オートデスクは、データを 1 つに統合する共通データ環境のプラットフォームの構築を進めています。設計から製造までのプロセス全体を通じて、関連データを収集・保持できる環境の実現に向けて、オートデスク API をさらに拡張しています。 

シングルユーザー用データ ストレージのアップグレード 

現在もシングル ユーザ ストレージを使用している方が、Fusion Team の新しいデータ環境にアップグレードできるように、オートデスクは今後、段階的なアプローチを展開していきます。新しいデータ環境にアップグレードすることで、より安全なデータ管理ツールや、アクセス権限の管理機能、チーム メンバーへの役割の割り当て機能を使用できるようになります。 

2 年以上前から Fusion 360 を使用しているユーザー様の中には、設計データの保存に 2 つのハブ(シングル ユーザ ストレージと Fusion Team ハブ)と、2つのハブをお持ちの方が多くいらっしゃいます。Fusion 360 リリース当初は、シングル ユーザ ストレージのみをご提供しておりましたが、2年前に Fusion Team ハブを導入したことにより、このような状況になっています。しかし、引き続き両方のハブを使用続けることは混乱を招くおそれがあります。そこでオートデスクは、プロセスをもっとシンプルにするために取り組みを進めてきました。Fusion Team に搭載されているセキュリティとデータ管理のメリットを、すべてのユーザー様が利用できるようにすることを、オートデスクは目指しています。シングル ユーザ ストレージ内の、すべてのデータを Fusion Team ハブに完全に移行することで、役割の割り当てやアクセス権限の管理、 AnyCAD ワークフローへのアクセスなど、さまざまなコラボレーション機能が利用可能になります。オートデスクは近日中にこの取り組みを段階的に展開するとともに、移行プロセスの最新情報も都度お知らせします。 

プラットフォームの最新機能 

Apple シリコンのネイティブ サポート 

Apple シリコンのチップセットが市場で拡大しています(現在は第 2 世代)。オートデスクはこの流れを受けて、Apple シリコンのネイティブ サポートを Fusion 360 で提供するための取り組みを進めてきました。その結果、2023年7月にリリースしたアップデートにて実装されました。これにより、MacPC 上でのパフォーマンスと安定性が著しく向上しています。  

製品の更新プログラムと再通知 

オートデスクは常に高い価値を提供し続けるために今年は、新機能や強化機能、修正を伴う製品アップデートを10 回リリースする予定です。ここに示すのは、あくまで現時点での計画であり、予告なく変更される可能性がありますのでご了承ください。ただし、製品アップデートの回数やタイミングのおおよその参考にはなるでしょう。 

ところでその、プログラムの更新によって重要な作業が中断されるような事態は、誰もができれば避けたいことに違いありません。今までは、アップデートが配信されると即時インストールしていただく仕様になっており、タイミングによっては作業を中断せざるを得ない状況でした。そこでオートデスクは、Fusion 360 のアップデートを、リリースから 2 週間後まで遅らせることができる機能を、5月のアップデートにてリリースしました。この機能を設定している間は Fusion 360 を再起動しても同じバージョンのまま更新されることなく維持されます。(個人利用ライセンス、教育機関向けライセンスは 3 日間となります) 

Fusion 360 にオンラインでアクセス 

ここ数年の間に、人々の働き方は大きく変化しました。そして、いつでもどこでも、どのデバイスからでも柔軟にアクセスできる作業環境が、かつてないほど重要になりました。そこでオートデスクは、Web ブラウザからオンラインで Fusion 360 にアクセスできる柔軟なオプションを無償で提供するために取り組みを進めています。オンラインでも、サブスクリプションと同じ機能にアクセスできます。また、インストール版の Fusion 360 と同様に作業を継続できます。デバイスにインストールする必要はありません。 これについての詳細は、近日中に公開予定です。Fusion 360 のブログで最新情報をチェックしてください。 

セキュリティが強化された新しいサインイン方法 

Fusion 360 のデータとアクセスのセキュリティを確保することは、オートデスクが開発初期から常に優先してきたことの 1 つです。特に公表はしませんでしたが、舞台裏では多くの取り組みを地道に続けてきました。そして、4 月のアップデートにて、Fusion 360 へのサインイン方法が刷新されました。これは他のオートデスク製品にも共通するサインイン方法で、セキュリティ レイヤがさらに追加されます。企業や組織はこれを利用して、独自のシングル サインオン ポリシーを活用できます。また、任意のパスワード マネージャーを使用して、アカウント情報を自動入力することもできます。これは多くのユーザー様からリクエストが寄せられた待望の機能です。

コミュニティ 

テクノロジー センターでテストしながら開発 

オートデスクは、各プロジェクトを進める中で、できるだけ多くのコンピューターと OS バージョンで開発したコードをテストするとともに、さまざまなテクノロジー センターで実際に製造プロジェクトを実施しながら機能をテストしています。例えば、英国バーミンガムのオートデスク テクノロジー センターは、機械加工プロジェクトのテストを行う主要な場所の 1 つです。オートデスクはここで常に、新しい操作方法やツールパスを自社の CNC マシンでテストしています。そうして新機能をお届けする前に、各テクノロジー センターで問題を検出および解決することで、高価な部品の交換や、貴重な加工時間の損失といった問題がユーザーの皆さまに起きないように、未然に防いでいます。 

Fusion 360 インサイダー コミュニティにご参加ください 

Fusion 360 が長年にわたってこれほど勢いよく成長できたのは、コミュニティの皆さまの並々ならぬ情熱に支えられてきたお陰です。Fusion 360 の初期にオートデスクが実装した機能の多くは、コミュニティからのフィードバックを反映させたものでした。そしてこの精神は、今に引き継がれています。ぜひ皆さまも、オートデスクのインサイダー プログラムに参加して、進行中のプロジェクトについてのフィードバックをお寄せください。このプログラムにご加入いただくと、リリース前の新機能をお試しいただくことができるようになります。お試しいただき、使い心地などのフィードバックをお寄せいただくことでより皆様にご満足いただける新機能として正式リリースされることになります。今では約 4,000 人以上の皆さまがこのプログラムに参加してくださっています。ソフトウェアをより一層身近に感じていただけることと思います。 

Fusion 360 インサイダー プログラムへの参加はこちら   

教育機関のユーザーも増加を続け、500 万人以上に

オートデスクと共に、Fusion 360 の進化の歩みにご参加くださった学生と教員の皆さまに、心から感謝をいたします。初心者から熟練者まで、約 500 万人のユーザーが学習と創造に情熱を注ぎ、インスピレーションを与え合っています。創造の飽くなき探求こそが、設計とイノベーションの限界を打破するのです。そして、知識を他者と積極的に共有しようとする姿勢は非常に大きな価値をもたらします。設計とエンジニアリングの未来を切り拓くのは、皆さまです。これからどんな素晴らしいものが生み出されるか、オートデスクはわくわくしながら見守らせていただいています。 
 
日本における教育機関向けライセンスの対象者となる学生および教職員の皆様向けの情報は、下記サイトで随時更新しております。ぜひご利用ください。 
 
学生・教職員向け Fusion 360 情報サイト 

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以上が 2023 年度の Fusion 360 ロードマップの概要です。皆さまにとって有益な情報をお届けできたでしょうか。今後も引き続き、情報を更新していきますので、どうぞお楽しみに。オートデスクは年間を通じて、プロジェクトの進捗とともに、この記事を更新していきます。またこの記事をチェックして、その他の分野の開発状況もご確認ください。この記事で、興味のあるトピックや、ロードマップの更新に関するご質問がありましたら、以下のコメント欄からお気軽にお問い合わせください。 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。 

Fusion 360 コミュニティ マネージャー/キチン・ソン 

  1. ロードマップは計画であり、実現を約束するものではありません。オートデスクはユーザーの皆さまにとって有益な新機能を製品に追加できるように努めていますが、 機能の開発やリリースのタイミングについては、オートデスク独自の判断で決定します。 
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