Factory_OS が工場で生産する新たな集合住宅
2050 年までに世界の人口は 100 億人に達すると予測されており、住宅不足は深刻度を増す一方だ。Factory_OS は、多世帯向け住宅の生産方法における大きな変革で、この問題へ真正面から取り組もうとしている。共同住宅ユニットを工場環境で製造することで住宅をより迅速に建設でき、標準的な工法に比べて廃棄物を最大 70% も削減できる上、現在とは異なる労働人口に向けて新たな雇用機会も生み出す。その成果である住宅は、より手頃な価格ともなる。このイノベーティブな企業が多世帯向け住宅の建設方法をいかに変化させているのかを、ビデオで紹介しよう。
[ビデオ字幕]
リック・ホリデイ氏 (Factory_OS CEO): 住宅を 自動車のように作ることが必要なんです。もっと工業化する必要があり、それによって、より良い住宅を手頃な価格で手に入られるようになります。それができないなんて、馬鹿げています。
キャロル・ガランテ氏 (Factory_OS Innovation Lab ディレクター): 現在、米国の住宅供給は最悪の状況です。特に高所得者層が多く、仕事の豊富なコミュニティでは、人口増加も圧倒的で、住宅の新規供給も大幅に不足しています。人口動態から供給不足までさまざまな要因が組み合わさって、十分な居住空間が確保できなくなっています。その生産コストも桁外れですね。
ホリデイ氏: Factory_OSは簡単に言うとオフサイトの建設施設で、住宅建設の大半をこの工場で行い、建設後に現場搬入することで 住宅建設を工業化しようとしています。
ラリー・ペース氏 (Factory_OS COO): リックと私は同じビジョンを共有しており、このプロジェクトでは住宅建設の在り方を変えるような、スケーラブルなレベルを実現したいと考えています。建設コストに大きな変化をもたらせる唯一の方法は、工場で建設することで住宅のコストを大幅に引き下げ、建設と組立のプロセスを組織的かつ実践的にすることです。
ガランテ氏: Factory_OSのような企業が 住宅価格高騰の問題を解決するための「核」となるでしょう。まずは建設プロセス全体やサプライチェーン全体、不動産の建設やデザイン手法全体を通じたコスト削減に積極的であること、そして最終的にここで暮らすことになる消費者にコストダウンをもたらす意図があることを保証することによってです。
ペース氏: 制御された環境を保つことができ、建物のより優れた品質管理が可能となり、プロジェクトの成果の より優れた予測可能性が提供されるなどさまざまな利点があります。建物の構成要素を同時に建設できるため工期を従来の 40-50% にまで飛躍的に削減できます。
アンドリュー・ミーガー氏 (Factory_OS Architecture & Engineering Lead): この工場は 他のさまざまな工場とそのプロセスを研究し、それを向上させた結果をもとに構築されています。この工場内で33の工程すべてが行なわれており、それこそが極めて効率的である理由です。毎朝スタッフが出勤すると 使用するツールや材料など、その日の業務に必要なものすべてがセッティングされており、無駄な時間はありません。
10年前には、モジュール建築は皆の夢でした。その後、始められたものの停滞し、わずかに前進しただけで消滅してしまいました。モジュール建築に近いものになったとしても、相変わらず、ありきたりなものでしかありませんでした。我々の取組は、それとは大きく異なっています。
とても細部が豊かです。ワンオフ生産なら非常に高額なものになるでしょうが、例えば、この戸袋引込型の吊り引き戸などの木工部分は、この工場では効率的に製造できるため、乾式壁のクローゼットやスイングドアと同じレベルまでコストダウンできます。
ジェイ・ブラッドショー氏 (Northern California Carpenters Regional Council [NCCRC] Director of Organizing): NCCRC の組織文化は テクノロジーや業界の進化に対抗せず、それを取り込んで活用、支援して一端を担い、体系化します。業界の進歩を止めれば、重要性が失われると分かっています。建設業界で全く経験のない労働者が、たとえウェイターであろうと、この業界で働く機会を求めるようになっているのは、とてもエキサイティングです。低賃金で福利厚生にも恵まれない職から抜け出せない人たちに、きっかけとなる働き口を提供できています。職業訓練で支援を提供すれば、数カ月のうちにバリバリ働けるようになります。
ナンシー・ホリデイ氏 (Factory_OS Corporate Wellness ディレクター): ここで働く理由は、お金以外にもたくさんあります。ここでは皆が家族です。プロジェクト終了ごとに次の現場を探す必要もなく、安定した仕事が得られます。通勤ルートも一定で、家族のもとへ帰宅する時間も把握できます。安全も確保されており、仕事をしながら学べます。尊重されていると感じられます。
ブラッドショー氏: ここに来るまで建設業界や工場の仕事の経験の無かった人がその生活を大きく変え、安全地帯から前向きに足を踏み出して、新しいことにチャレンジするようになっています。
ガランテ氏: 私たちの取り組みが生み出した思いがけない副産物は、より多くの女性に雇用の機会を提供したことです。従来とは異なるタイプの作業員に門戸を開きました。職場は、より人間工学に基づいた環境になっています。
ミーガー氏: 多世帯向け住居への参入をためらう建築家は多数います。耐水性やアクセシビリティなど、複雑さが付随するからです。我々はそれを、全て工場内で解決してきました。通常はこの市場に参入しないであろう多くの才能ある建築家に、その機会を提供すると思います。
ペース氏: 私にとって 仕事上の最大の報いは Factory_OSで働く人々です。労働者を擁護し、支えることは重要だと思います。論より証拠で、私の経歴がそれを証明しています。
工場内を歩けば理解できるはずです。性別や体格に関係なく、誰でもFactory_OSで働くことができます。