2019年に注目すべき製造業の5つのトレンド
ドローン、3Dプリント、AI、IoTなどのイノベーションは、それぞれが独自の成長曲線で成熟へ向かっている。こうしたツールの製造業界における役割は、このところのコンバージェンスにより、個々の合計以上に大きなものにきた。このトレンドは2019年も継続するだろう。
その中でブロックチェーン技術は、仮想通貨への投機が注目された幼年期を脱して、製造業務にも幅広く波及していくだろう。
ここでは自律飛行ドローンから人間とロボットの協働まで、世界の製造業における 2019 年のトレンドを考えてみよう。
1. インダストリー4.0による未来の工場
製造テクノロジーにおける自動化とデータ交換のトレンドは、インダストリー 4.0の名のもと、さらに進行するだろう。このムーブメントは、製造業における指数的成長とスケーラビリティを提供するために、スマートロボットや人間とロボットの協働、アディティブ マニュファクチャリング、AR、生産シミュレーション、没入型トレーニング、バリューチェーン統合、分散的意思決定と生産運営などを組み込んだものだ。
2. ロボット、ドローンへの支出の世界的な上昇
調査会社IDCの予測によると、2019年度のロボットとドローンへの支出 (英文情報) は、2018 年度から17.6%増の1,157億ドル (約12.8兆円)。バッテリー性能や航空管制システムの急速な向上を受け、完全自律制御や3Dマッピングが原材料の調達や機器の安全検査に活用されている。
3. より大規模で高速なIoTが実現する機械間会話の拡大
向上したセンサーと2019年から商用利用が始められる次世代移動通信システム5GがIoTを継続的に拡大。IoTにおけるAIと機械学習の組み合わせが、おびただしい量のデータの管理と洞察の生成、メーカーの反応性を向上させ、効率を向上するソリューションを実現する。例えば、発生する問題へ対して機械が瞬時に、折よいソリューションを提供するため、問題のある製品そのものが製造されなくなる。
4. ブロックチェーンが仮想通貨、製造業と結合
2019年には製造業の財務活動と取引のスピードとセキュリティ、費用効果に、ブロックチェーン技術が直接的に影響を与えるようになる。この技術は単一の分散台帳システムにおいて、サプライチェーンの管理、追跡、取引のレポートの異なる分野に影響を与えることができる。活動ログがより明白になることで、メーカーはサプライチェーンの全パーツをリアルタイムで見て、問題が広がる前に認識することが可能だ。
5. 3Dプリントの製造業界への進出が継続
ラピッドプロトタイピングにおけるプレゼンスを確実なものとした3Dプリントは、製造業をより低価格で優れたものに、また強くて迅速なものにしていく。例えば粉末焼結積層造形 (SLS) と呼ばれる造形法は、レーザーを3Dモデルで定義された空間内の点へ向けて立体形状を作成。この方法によって究極的には、より複雑な形状なパーツの設計を、アウトソースに依存せず容易にコントロールできるようになる。