製造と建設のコンバージェンスを示す6つの例
製造と建設の境界は、ますます曖昧になってきた。使用される材料から、2008 年の金融危機からまだ完全には回復していない労働市場に至るまで、すべてにディスラプションが起きている。
2020 年が近づくに従い、建設業界でもプレファブリケーションやその他の生産技術に変化が起こり始めている。それは労働力不足を回避するためだけでなく、より迅速かつコスト効率が高く、より少ない材料で建設を行うたもでもある。
1. ConXtech: 革新的なモジュラー建築による建築産業のディスラプション
北カリフォルニアの ConXtech は、製造と建設のコンバージェンスを最も象徴する会社だと言えるだろう。ロバート・シモンズ、ケリー・ルタレル夫妻が 2002 年に設立した ConXTech は、Autodesk Revit がアシストする BIM と製造プロセスを組み合わることで、現場で溶接せずに鉄骨の梁や柱を組み上げられる、規格化したインターロック コネクターを作り上げた。これにより、迅速な施工と少ない廃棄物、より安全な建物のすべてを、建築上の創造性を制限することなしに実現できる。
2. カリフォルニア近郊の山火事でプレファブに注目
カリフォルニア州北部の何千という住宅が消失した2017 年 10 月の山火事は、プレファブリケーションによる住宅が、より受け入れられる契機になるかもしれない。労働市場の余裕の無さと、州政府による厳密な建築基準により、再建を望む住民は長期に渡る待機を余儀なくされている。Connect Homes や Acre Designs のようなスタートアップ企業はそうしたニーズに応えて、建材の製造と、住宅主へスマートかつ効率の良い住宅をわずかな時間と少ない労働力で建設する機会を提供している。[英文記事]
3. サウジの「ビジョン2030」実現にはディスラプティブな技術が必須
サウジアラビアの経済の多様化とインフラの近代化、官庁の改善を目指す野心的な「ビジョン2030」計画を実現するには、3D プリントやAR、VR などのテクノロジーへの転換が必要だとされる。中東の企業は BIM に積極的だが、成長を維持するには新たな建設、製造の技術を採用する必要がある。
4. Advantic のコンポジット材料がエンジニアや施工者のツールキットを拡張
建設業界では鋼やコンクリート、石材が多用されており、それは今後も継続するだろうが、先駆的企業である Advantic は、一般的な材料では不可能なことがあることを理解している。同社の軽量でそれほど労働力を必要としないコンポジット材料は、腐食の問題に打ち勝ち、より複雑なビルのデザインに対応する。
5. アイントホーフェン工科大学の教授が 3D プリント住宅の問題を解決
建設会社は 3D プリント コンクリートの採用を進めているが、壁の座屈や倒壊の問題は残っている。オランダ アイントホーフェン工科大学のアイケ・スイカー教授は、3D プリントによる安定した壁のパラメーター設定に使える数式を開発。この数式は、建設会社がより少ない材料で 3D プリント住宅を作るのに役立ち、優れた成果を実現できる。[英文記事]
6. 建設会社が製造会社のように考えるようになった理由
Markforged のリチャード・エルヴィング氏が言うように、世界は第四次産業革命に突入しようとしている。この新たな時代には、プレファブリケーションやジェネレーティブ デザイン、VR、さらにロボットやリアリティキャプチャ、3D プリントが、建築・建設やインフラの業界を変革し、より迅速で安全なビル建設と、著しいコスト削減を可能とする。[英文記事]